2009年04月28日

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「二輪の生産終了が止まらない」 なんて見出し発見!

しっかりと詳しく書かれていたので、興味ある人は読んでね〜

二輪の生産終了が止まらない〜排出ガス規制・騒音規制の影響ーnikkei TRENDYnetー

ふと気づくと、どの二輪メーカーのサイトも「生産終了」の文字が目立つようになった。排出ガス規制の影響などで、長い歴史をもったバイクが次々に姿を消している。さらに2008年末には、新しい騒音規制が公示された。二輪の置かれている環境がどう変わっているのか、排出ガス・騒音規制の影響を追いかけてみた。
ヤマハ系モーターサイクルの輸入・卸販売を行なっているプレストコーポレーションのニュースページに、こう書かれている。「以下に記します機種においては、(平成)20年9月から適用された排出ガス基準強化に伴う試験方法の変更によって規制値適合の可否確認が取れないこと、また騒音規制値適合の可否確認が取れないことから、誠に遺憾ながら取り扱いを見合わせることになりました」。そこにはヤマハ発動機の「YZF- R1」や「VMAX」など、逆輸入車と呼ばれるモデルの名が並んでいる。1.7Lの大排気量エンジンを積み最高出力200PSと、過激な性能のVMAXは仕方がないとしても、YZF-R1まで輸入を見合わせることになるのか……と思ってしまった。

 これまでは、ヤマハやスズキ、カワサキなどの国内メーカーが製造する二輪車でも、大排気量スポーツモデルは、いったん欧米に輸出したものを再輸入する「逆輸入車」として販売されるケースがほとんどだった。その理由は色々あるが、国内では1990〜2007年にかけて、最高出力100PSを超えるバイクは生産・販売できないという規制が行われてきたため、大排気量の高出力モデルはそのまま販売できなかった、というのが大きい。輸入車はこの規制を受けないため、高出力バイクに合法的に乗る手段として、逆輸入車が人気を集めてきた。

 だが、今回の排気ガス規制や騒音規制の強化によって、規制をクリアできるかが分からないモデルは輸入を中止するしかなくなってしまった。プレストに聞いたところ、「以前は欧州の規制(EURO3など)に通っていれば、ほぼそのまま日本でも通せました。しかし2008年9月から施行された規制は欧州よりもはるかに厳しく、(エンジンが冷えた状態からの)コールドスタートなどの日本独自の測定方法もあります。現状で日本の規制に通す可能性がゼロではないようですが、お客様を混乱させてしまう可能性がありますので、一部のモデルについては輸入を取りやめているのが実状です」とのこと。

馬力規制廃止で日本仕様も登場したが、厳しい騒音規制で性能はダウン

 ホンダ系の大手販売店、桜井ホンダは通常の国内モデルはもちろん、一部逆輸入車も扱っている。「新しい規制は逆輸入車にとって非常に厳しいですね。なんとか車検を通してるショップもあると聞いていますが、ウチとしましては法規を守ったうえでバイクを楽しんでいただきたいと考えていますので、通すのが厳しい逆輸入車は、現在のところ扱いを控えています」。

 もちろんすべての逆輸入車が日本に入ってこないわけではないが、高性能なハイパフォーマンスモデルはかなりツライようだ。ドゥカティなど海外メーカーの輸入車も、日本仕様はかなり馬力を下げるなどの対策をして販売しているのが実状だ。

 バイクの馬力規制は2007年7月に廃止されたため、現在は日本仕様でも100PSを超えるモデルが販売できるようになった。ただし厳しい騒音規制のため、輸出仕様と同じ性能を発揮するのは難しい。二輪車メーカーの中でもホンダは以前から、馬力を下げて騒音規制をクリアした日本仕様モデルを用意している。例えばCBR1000RRの場合、最高出力は欧州仕様の178PSに対して日本仕様は118PSに低下している。

 ヤマハ発動機も09年3月にVMAXの国内仕様、09年4月にYZF-R1の国内仕様を発表した。VMAXは200PS→151PS、YZF-R1は 182PS→145PSと輸出仕様よりも最高出力は下げられているものの、「乗りたくても買えない」という最悪の事態は避けられることになった。

 こう書くと「何も問題はないじゃないか」と思うかもしれない。しかしユーザーの心情としては、本来の性能を発揮する輸出仕様に乗りたいところだ。また、規模が小さい日本市場向けに専用モデルを開発するのはコスト的に厳しいためなのか、スズキやカワサキは人気モデルの日本仕様を製造していないため、乗りたければ逆輸入車を買うしかない。

 そして、二輪車の排出ガス・騒音規制の影響を受けるのは、逆輸入車だけではない。国内でロングセラーを続けてきたバイクが、次々と生産中止に追い込まれているのだ。

2008年秋ですべて適用された排出ガス規制

 現在の排出ガス規制(平成18〜20年規制)は2005年8月に告示されたもので、正確には「道路運送車両の保安基準の細目を定める告示(平成14年7 月15日国土交通省告示第619号)等の一部改正」という長い名称になる。排気量などによって2006年10月から順次適用が始まり、継続生産車や輸入車も含めて2008年9月をもってすべてが適用対象となった(下図参照)。

 これ以前の二輪の排出ガス規制の大きなものとしては「平成10・11年規制」があり、このときにはホンダ「NSR250R」など、2ストロークスポーツバイクがほとんど姿を消してしまった。平成18〜20年規制は、平成10・11年規制に比べてHC(一酸化炭素)やNOx(窒素酸化物)の85%減が求められるなど、非常に厳しいものとなった。4ストロークであることは当然ながら、インジェクションやキャタライザー(触媒)などを装着しなければ、まずクリアできない数値だ。

 そうして、大排気量車からホンダ「モンキー」などの小さなバイクまでほとんどが、それまでのキャブレターからインジェクション(電子制御燃料噴射)化されることになった。ただ、この排出ガス規制、技術的にはそれほど難しいものではないようだ。むしろキャタライザーなどによるコストアップが問題となる。そして採算が合わないと判断されたモデルは、順次姿を消すことになった。

世界でもっとも厳しい日本の二輪車騒音規制

 もう一方の騒音規制を見てみよう。現行の騒音規制は「平成10年規制」や「平成13年規制」*1に準じている(下図参照)。つまり、08年秋に生産が終了したモデルも騒音規制はすでにクリアしていたわけで、あとは排出ガスさえなんとかすればいいように思うが、事態はそれほど簡単ではない。「排ガスをクリアしながら騒音規制を通すのが大変なんです」(ヤマハ)ということで、両者は密接に関係していると考えるべきだろう。

 排ガスと騒音、どちらがバイクにとって大変なのだろうか。「技術的な面は個々のモデルによっても違いますのであくまで傾向ですが、だいたいは音のほうが大変ですね」(ホンダ)、「騒音規制は日本がもっとも厳しい」(ヤマハ)ということらしい。

 例えば、マフラー交換などの改造を行なわなくても、整備が充分でないとチェーンノイズなどで規制値を超えてしまう可能性もある。バイクによっては、経年劣化だけでも超えてしまうかもしれない。クルマのようにエンジンや駆動系をフルカバーできないバイクにとっては、そのくらいシビアなものなのだ。もちろんこの規制は新車認証時のもので、乗っている間にうるさくなったからといって、違法になるわけではないのだが。

長い歴史を持つモデルが次々に姿を消している

 規制を通すのが大変=生産終了、という単純なものでもない。現在の二輪不況など、メーカーが考慮しなければならない問題は少なくない。「排ガスや騒音規制だけが理由というわけではなく、いろいろな面を考え合わせて一部モデルは生産終了としています」(ホンダ)というのがどのメーカーも共通したところだろう。

 30年以上の歴史をもつヤマハの「SR400」や、堂々としたバーチカルツインエンジンで人気のカワサキ「W650」も生産を終了してしまった。「空冷エンジンは冷却フィンがありますから、水冷よりも音を抑えるのが大変なのは確かです」(カワサキ)、「音の面もありますが、SRはエンジンの個性や特性を活かしたまま適合させるのが難しい」(ヤマハ)とのこと。

 空冷エンジンが一概にダメというわけでなく、ヤマハの「XJR1300」のように空冷のまま規制をクリアしたモデルもある。また、ヤマハ、カワサキとも開発は続けており、SR400やW650の復活の可能性がないわけではないとのこと。期待したいと思う。

アフターパーツメーカーの交換用マフラーは無くなるのか?

 そして昨年の2008年末、新しい騒音規制が告示された。これはマフラーの構造を簡単には変更できないようにすることや、アフターパーツメーカーが作る交換用マフラーについても「加速走行騒音」を適用するといった内容が中心になっている。この新騒音規制は10年4月から、つまり来年の春から生産される二輪車(輸入車を含む)に対して適合される。四輪車も同様だ。

 先に挙げた騒音規制は新車認証時のもので、従来は、使用過程時(簡単に言えば車検時)には3種類の騒音のうち、「近接排気騒音」だけをクリアすればいいことになっていた(定常走行騒音も必要だが、これは近接排気騒音から導き出される)。それが新しい騒音規制では、使用過程時でも「加速走行騒音」をクリアしなければならないことになった。

 しかし「加速走行騒音」の測定には、ちゃんとしたコースや設備が必要になる。現在の車検場では、おいそれと計測できるものではない。そこで実際の運用では、新車時のマフラー構造を簡単には変えられないようにして、新車時の「加速走行騒音」をキープさせることで、使用過程時の騒音規制をクリアしたと見なすことになるようだ。また交換用マフラーについても、メーカー純正装着マフラーと同じように「加速走行騒音」をクリアしていれば、合法的に使用できる。

 と、言うのは簡単だが、実際にそういったマフラーを作るのはとても大変なことなのだ。加速騒音の「73dB(125cc以下は71dB)」という基準は非常に厳しく、先述したようにチェーンの油が切れて音が大きくなった程度の、ちょっとした整備不良でも超えてしまうレベルだ。マフラーメーカーによっては、適合をあきらめて違法マフラーを製造したり、交換用マフラーの製造そのものを止めてしまうのではないかと懸念されていた。もし違法マフラーが氾濫すれば、今よりもバイクの騒音問題はひどくなりかねない。

 そして、実際に告示された規制では、交換マフラーは「82dB(125cc以下は79dB)」以内とやや緩めの規制となった。これでどうやら、合法的な製品を作っていこうという意欲を持つアフターパーツメーカーが、生き残る可能性が見えてきた。

交換用マフラーに付けられる「適合表示」が重要に

 この新騒音規制について、アフターパーツメーカーの連合会である「JMCA」(全国二輪車用品連合会)に話を聞いた。

 「今回の規制はずいぶん(アフターパーツメーカー)業界の声を聞いてもらった上での決定となりました。当初は新車時の加速騒音(73dB)がそのまま交換用マフラーにも当てはめられるということでしたが、それでは非常に厳しいわけです。しかし実際の新騒音規制では82dBと定められました。これであれば実現はそれほど難しいものではありません」とのこと。

 規制値が実現可能なレベルに落ち着いたのはいいが、それを無視した違法な製品が出回っては意味がない。交換用マフラーを購入するユーザーにとっても、その製品が規制をクリアしているかを簡単に、確実に確かめられる仕組みが必要になってくる。「はい。だから認証制度がより重要になってきます。今回の規制で交換用マフラーには『装置型式指定品表示』や『性能等確認済表示』などが必須になりますから、JMCAでもそれに対応するよう準備を進めているところです」。

 これは国内の交換用マフラーに限った話ではなく、純正マフラーには「純正品表示」、外国産のマフラーには「国連欧州経済委員会規則(ECE規則)適合品表示(Eマーク)」、もしくは「欧州連合指令(EU指令)適合品表示 (eマーク)」が必要になる。

 車検がない250cc以下のバイクや原付も例外ではない。車検はなくても、取り締りで引っかかるということは十分考えられる。2010年の春以降は、認証マーク付きのマフラーならOK、マークがなければ整備不良で違反切符を切る、といった取り締りが増えるはずだ。

 バイクのパーツを変えたりセッティングを変えるのは、バイクにとって楽しみであると同時に、正しく行えば安全性を高めるためにも意味がある。もちろん法規の範囲内での話だ。しかし、やたらうるさいバイクが多くの人の迷惑になっているのも事実だ。今回の規制で違法マフラーが減って、街が少しでも静かになればこれほどありがたいことはない。

 もう一つ、バイクはとても将来性の高い乗り物である。例えば地球温暖化の原因と言われているCO2だが、CO2の排出量は燃料消費率に比例する。つまりクルマよりも軽量で燃費がいいバイクは、そのぶんCO2の排出も少ない。欧州では自動車のCO2規制が始まりつつあり、日本でも同様の規制が施行される可能性が、ないわけではない。

 あなたがバイクに乗っているなら、環境的に優れた乗り物に乗っているという誇りを持っていい。そしてもし、騒音をまき散らすようなマフラーを装着しているのなら、それはすぐに止めて欲しい。そうした行為は、バイクとバイク乗りの首を絞めているのだ。

(文/西尾 淳 (WINDY Co.))

以上、日経トレンディネットより引用

● Posted by saeki | 2009年04月28日 19:17 | さいきんぐ
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